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信玄公の時代から昭和の初めまで“馬市”が開催されていた新潟県栃尾。セリが成立する度に酒を酌み交わす慣わしの傍には、いつも大きな油揚げがあったと云う。今でも当時のこだわりある油揚げを作る作業場にお邪魔した。まずはその油揚げなるものを拝見。いやはや、油揚げと呼ぶには、あまりにも大きい…、厚さも2.5cmほどはある。「まぁ食べてみて違いを実感してください」とは、工場長の大橋さん。焼きたての油揚げをわさび醤油につけて一口…、その美味しさにもビックリ。パリッと揚がった皮、中のフワフワ感、油っぽさなどは微塵も感じられない。 違いは何だろう?「他と違うのは、大豆を生のまま絞って豆乳を抽出する生絞りの製法をとっていることでしょうか。ですから、高糖度の豆乳ができ、濃度も濃くなって美味しくなるのです」。 作業場を拝見。新しい菜種油で揚げているのは、しっかりと押されて水分を絞られた木綿豆腐。これを低温で15分、さらにしっかりとした皮を作るため高温で15分、あわせて30分もの手間をかけ、職人さんが一枚ずつ手で揚げる。油きりも、揚がった油揚げを串刺しにして、しっかりと油をきっているから、油っぽくも無いのだ。 この油揚げ、焼いて生姜やわさび醤油のほか、甘めのダシで煮るのも、地元で人気が高いと聞く。大変な手間暇をかけて作る栃尾の油揚げ、ぜひお試しいただきたい隠れた名品だ。 |




新潟県栃尾で300年前から作られる大きな油揚げ。職人さんが一枚ずつ30分かけて手揚げした油揚げは、そのまま軽く炙るだけで絶好の酒肴としてお楽しみいただけますが、地元では煮付けが一般的。
信玄公の時代から昭和の初めまで“馬市”が開催されていた新潟県栃尾。セリが成立する度に酒を酌み交わす慣わしの傍には、いつも大きな油揚げがあったと云う。今でも当時のこだわりある油揚げを作る作業場にお邪魔した。